2022/10/13
论文
総合医学研究所共同利用センター 坂本卓弥助教と再生医療学 下平滋隆教授らの论文「Different In Vitro-Generated MUTZ-3-Derived Dendritic Cell Types Secrete Dexosomes with Distinct Phenotypes and Antigen Presentation Potencies」がInternational Journal of Molecular Sciences誌に掲載されました
がん抗原を取り込ませた樹状細胞(DC: Dendritic cell)から放出されるエクソソーム(Dexosome)は、HLAクラス1/2が発現しており、単体で抗原特異的なT細胞の活性化が可能なことから、抗腫瘍効果が期待される。ヒト単球から種々のサイトカインを用いて分化させたDCが機能面において差異があり、特にIFN-αを用いたIFN-DCは、IL-4-DCと比較して細胞傷害性の亢進や細胞膜に発現するDCマーカーの発現変動が報告されている。より機能面に優れたDCを作製することが抗腫瘍効果をもつ優れたDexosomeの作製に繋がる可能性が期待される。しかし、ex vivoにおいてヒト単球からDCへの分化の実験系はドナー間でのばらつきが生じる。そこで単球性急性骨髄性白血病細胞株のMUTZ-3を使用してDCへの分化モデルを評価に用いた。本研究の目的はIL-4やIFN-αにより分化した性質の異なるMUTZ3由来のDCから放出されるDexosomeの機能面に与える影響を評価した。MUTZ-3由来のIFN-DCから放出されたDexosomeは、IL-4-DC由来のDexosomeと比較して、抗原提示に関与するHLA-ABCの発現が高いことが認められ、さらに優れたがん抗原特異的CTL誘導能を確認した。本研究により種々のサイトカインの添加によるDCへの分化は表現型や機能面に変化を与えるだけでなく、細胞外に放出されるDexosomeにおいても影響を与えることが明らかになった。リソースの観点から細胞株由来DCの Dexosomeを応用することは、新たながん免疫療法の開発に繋がることが期待される。
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