2022/12/02
论文
肝胆膵内科学 野村匡晃助教らの论文「Surgical implantation of human adipose derived stem cells attenuates experimentally induced hepatic fibrosis in rats」がMolecular Medicine誌に掲載されました
肝硬変の根治療法は肝移植のみであるが、高侵襲、高コストかつドナー不足等の問題があるため、代替となる治療法の確立が喫緊の課題となっている。一方、再生医療における細胞源として近年注目されている脂肪由来幹細胞（adipose-derived stem cells; ADSCs)は、脂肪細胞、軟骨細胞、及び骨芽細胞への分化能を持つ以外にも、創傷治癒や免疫調整などの様々な機能を持つ。これまで肝臓においては、ADSCsの経脈管投与による肝再生の研究が行われてきたが、ADSCsの肝臓への定着率の低さや塞栓のリスクが懸念されてきた。そこで本研究では、ヒトADSCsをハイドロキシアパタイトでコーティングしたポリエチレンディスク上で分離?培養し作製したシートを肝硬変ラットモデルの肝表面に貼付し、その効果を確かめた。その結果、ヒトADSCsシートは肝機能を改善し、さらに肝線維化を顕著に抑制し早期肝硬変の進行を予防した。また、ヒトADSCsが貼付8週間後もシート上に存在することを明らかにした。本研究により、ヒトADSCsシートの肝臓への貼付は、肝線維化の進行とそれに関連する肝機能低下を予防する有効な治療法として利用できることを実証できた。
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