2022/12/14
採択
小児外科学 岡島 英明 教授/公益財団法人 澁谷学術文化スポーツ財団「大学の新技術研究に対する奨励金給付」
研究课题「ヒルシュスプルング病における神経再生を促す因子の探索と治疗への応用」
腸管神経系(ENS)は胎生期に神経堤細胞 が原始腸管に侵入、口側から肛門側にわたって遊走、成熟し形成される。先天性神経節細胞欠損として知られるヒルシュスプルング病(HSCR)はENSを形成する腸神経堤由来細胞(ENCCs)の運動、増殖、分化などに異常が生じて発症し腸閉塞を呈する。治療法は外科治療であるが、25%の患者で便失禁の合併症があり、患者が多感な小児であることから術後のQOLが問題となっている(Gosemann JH. et al. Eur J Pediatr Surg 2013)。HSCRを発症したすべての児童が健康で文化的な生活を送れるよう外科的処置以外の再生医療や薬剤治療法のため腸管平滑筋細胞をENCCsの受け入れやすい細胞に変化させる因子が存在することに着目し、その因子の同定とその因子を用いて疾患モデルマウスを使いENCCs移植および薬剤治療効果を検証、治療法の開発を行う。