2023/03/01
论文
清水 陽(解剖学Ⅰ協力研究員?元小児科学大学院生)の総説「Influence of Immune System Abnormalities Caused by Maternal Immune Activation in the Postnatal Period 」がCells誌に掲載されました。
子宮内の有害な環境が胎児の組織や臓器に変化を与えることが明らかとなり、出生前環境と出生後のあらゆる疾患の発症の関連性が注目されている。その中でも母体の免疫活性化は重要な因子の一つであり、生後の神経発達障害、心血管疾患、代謝疾患、免疫異常などの様々な疾患発症のリスク因子となることが疫学的調査で明らかになっている。これらの疾患発症に免疫異常の関与が示唆されており、免疫系への影響が重要視されている。免疫系への影響として、病原体へ適切に反応できない免疫不全やアレルギーなどの免疫の過剰反応が確認されている。また、生後の免疫異常は、出生前の母体免疫活性化により誘導される炎症性サイトカインの種類や程度、炎症の暴露される妊娠時期などに依存する可能性が高い。近年、世界中でCOVID-19のパンデミックによる妊娠中の感染が増加しており、児への影響が問題視されている。本総説では、ヒト症例および動物実験で得られた母体免疫活性化と児の免疫異常発症リスクとの関連について、Developmental Origins of Health and Disease (DOHaD)の概念にも触れながら、最新の知見を概説した。
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