2023/07/03
论文
本学 一般教育机构 生物学 酒井講師、東海林教授らの论文「Glycolytic activity is required for the onset of neural plate folding during neural tube closure in mouse embryos」が Frontiers in Cell and Developmental Biologyに掲載されました
我々ヒトを含む哺乳類(有胎盤類)は、受精卵が子宮内膜に侵襲して着床する。そのため、胎盤が成熟して母体血から酸素が供給されるようになるまで、低酸素状態で胚?胎児の発生が進行する。過去の知見から、グルコース代謝の内、嫌気的解糖の活性化が初期の胚発生、特に中枢神経系の原基である神経管の発生に必須であることが知られていた。しかし、嫌気的解糖による神経管発生制御の分子メカニズムは不明であった。本研究では、マウス胚の子宮外培養法を用いて、解糖系阻害による神経管形成への影響を組織レベルで詳細に解析した。その結果、神経板から神経管が形成される際の上皮組織の屈曲(folding)に解糖系の活性化が必須であることがわかった。また、上皮組織の屈曲は、解糖系からのATP供給による局所的なMyosin Light Chain 2のリン酸化に依存することが示唆された。本研究成果は、神経管閉鎖不全症の発症機序の解明に寄与することが期待される。本研究は、本学、解剖学I教室との共同研究である。