心臓血管外科学 坂本大輔講師らの论文「Femorotibial Bypass Sutured on Bovine Pericardium Patch of the Femoral Artery for Bypass Inflow: A Case Report」がCureusに掲載されました
大伏在静脈を使用したin-situ bypassである大腿動脈-後脛骨動脈バイパスは重症下肢虚血に対するDistal bypassとして難易度が高いとされる。理由として性状の悪い大腿動脈に大伏在静脈を吻合することで遠隔期のグラフト開存率が悪くなることがあるとされている。今回、我々はその中枢吻合部に2020年4月に新たに販売された牛心膜パッチ(XenoSure; LeMaitre Vascular, Inc., Burlington, MA)を使用した血栓内膜摘除術を同時施行し、牛心膜パッチの上にパンチャーにて吻合口を形成、そこに大伏在静脈を吻合することで良好な吻合を行うことができ、術後1年経過しても良好な血流を確認できた。この方法はDistal bypassにおける重要な方法のひとつと考えられた。
72 歳の男性が間欠性跛行と足部潰瘍にて当院に受診。 造影CTにて左総大腿動脈の重度の石灰化と閉塞、および浅大腿動脈から膝窩動脈までの石灰化と高度狭窄を認めたため手術を施行した。 まず血栓内膜切除術 (TEA) とウシ心膜パッチによる大腿動脈の再建を施行した。 その後パンチャーで牛心膜パッチに吻合孔を設けた後、Distal bypassのInflowとしてウシ心膜パッチ上に大伏在静脈を中枢吻合し、in situ 大腿-脛骨動脈バイパス術を施行した。 この方法によりスムーズできれいな吻合を達成することができた。 TEA後の重度のアテローム性動脈硬化症の大腿動脈では、静脈グラフト吻合が困難になる可能性があり、吻合が困難な場合はバイパス閉塞のリスクが高まる。 バイパスのInflowとしての大伏在静脈をウシ心膜パッチ上に吻合することは、大腿動脈の重度のアテローム性動脈硬化症患者において良好な吻合と血流を保証する可能性がある。
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